リハビリが人生に与える影響

先日、お客様のご家族とお客様の日常の近況について話をする機会がありました。お客様は2度の脳梗塞を患いました。当初、何とか歩けてはいましたが、2度の脳梗塞の結果全身に麻痺が残ってしまい、ぎこちない歩きになっていました。両下肢に麻痺があることでバランスを取りづらくなっていることが原因として考えられました。そこで片脚でのバランスやスムーズな重心移動を身に付けるための前足部での荷重を反復しました。その結果、外を杖がなくとも歩けるようになりました。また、奥様が外出の日は、お客様が買い物に出かけ食事の用意をするようになったそうです。

ある日のことです。その日も奥様が外出する日でした。しかし、冬の寒い季節になり日頃自主トレにしている歩行練習中に歩き方の注意を怠るようになっていました。その結果、以前見られていた悪い歩き方が目につくようになってしまいました。歩きが悪くなると、外出・買い物が難しくなります。実際にその日も近所のスーパーに行くことを避けるようになり、奥様に食料の買い出しを頼んだそうです。しかし、ここで奥様は決断しました。

「先生が言われたことを守らずに好きに歩くからこうなったんでしょ!自分で買い物に行ってください!」

そうお客様に告げ、奥様は外出されました。外出先での用事を済ませ夕方帰宅すると、お客様が夕食の準備を済ませて待っていました。お客様は何とか自分で買い物に出かけ、食事を作っていたのです。厳しい状況ながら一人で外出買い物に出かけ、調理を済ませたお客様の行動と気持ちを前向きに持って行ったことに私は感動しました。それと反面、奥様の突き放す決断の真意を伺いました。

昨年末、お客様は見違えるほどに歩行が改善しました。上述した通り、杖なしでも外をスムーズに歩けるようになり、歩行スピード・持久力も向上していました。しかし、年末年始のお休みの間、自主トレの歩行練習で悪い歩き方を繰り返してしまいました。そのため、歩行がぎこちなくなってしまっていました。それを常に見ていた奥様は「今の状況は自分で蒔いた種。先生の言うことを守らなかったんだから自分の責任。」そう思ったそうです。さらには、「ここで諦めて私が手を貸したら主人の今後の人生に自信を持てなくなってしまう。もしかすると転んで骨折してしまうかもしれない。でもそれも覚悟して主人にすべてをやらせました。」

私は、この奥様のご決断と覚悟を聞いて深く共感し感動しました。リハビリは毎回、賭けの連続です。このトレーニングをやれば歩行は改善するだろうと仮説は立てます。当然、絶対の保証はありません。れいんぼうフィジカルセラピーのリハビリは良くするためのリハビリですからその内容はリスクを伴うものです。(安全・簡単な内容では決して改善はしません。)ですから常に緊張感があり真剣勝負です。またその真剣勝負に打ち勝ち、得られるものは歩行改善だけではありません。夢や希望を叶えるだけでもありません。それは自信です。

脳卒中(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)や様々な病気、怪我によって歩行が不自由になるのは決して望まれた事ではありません。しかし、負ってしまったことを否定することはできません。当然これからも人生は続きます。人生を全うする上で自信を得る事は大変重要だと考えます。人は逆境に立つと弱さや脆さを見せます。リハビリは、身体機能改善を目的としていますが、そのためには辛く厳しいトレーニングに立ち向かわなければなりません。それは弱気に負けそうになる自分との戦いでもあります。この戦いに挑むことで精神的な強さや今後の人生を歩む上での自信が得られます。

れいんぼうフィジカルセラピーは歩行リハビリを通して、お客様の夢や希望を叶えることを使命にしておりますが、その先にあるお客様らしさを取り戻すことを最大のミッションと掲げます。