運動失調とは、行う動作の調整が取れずスムーズな動きができない状態を言います。例えば、手を伸ばして物を取ろうとするとき、伸ばした手が位置関係を調整できずにより遠くに伸ばしてしまったり、動きが定まらずに左右に大きく揺れてしまったりします。症状が重くなると、姿勢の保持やゆっくりとした動きが難しくなります。ですから、バランスを大変崩しやすく、転倒のリスクが非常に高まります。わずかな動きで成し得る動作でも瞬間的に筋力を過剰に発揮してしまいます。立ち上がるときに、ビュンと勢いよく両脚を伸ばしてしまったり、座るときにはドスンと座ったりします。姿勢を保持することが難しく立っていても揺れが起きてしまいます。歩行していても、脚が大きく開いて脚をついたり、極端に大股になったりします。

この運動失調は、小脳の病気によって起こりえます。小脳梗塞や脊髄小脳変性症が代表的な疾患です。

運動失調に対するリハビリ

動作の調整、揺れを抑える、姿勢を保持する、これらの現象が立ち上がり動作や特に歩行においては1番の問題になります。運動失調によるこれらの現象を抑えるためには、腰やお尻周りの働きを高め支えや安定性を確保します。

歩行においては、細かく分けてそれぞれで姿勢保持や体幹機能を高めるよう取り組みます。

運動失調は、その改善を阻害するものがあります。それは自分の体がどのような動きをしているのか認識できないことです。歩行時では、体が斜めになっていることを認識できずに脚を出そうとしてバランスを崩すなどです。この運動感覚の認識を正すためにしばしばリハビリでは鏡を使います。鏡を見ながら自分の体がどのように動いているのか目で確認しながら修正していきます。

お尻を上げた状態で足踏みをします。お尻周りや体幹機能を高めます。

肘とつま先だけで体を支えます。体幹機能の強化をします。

バランスボールを使用して体幹機能、バランスを強化します。

片膝立ちでは軸脚の支えや上半身のバランスを更に強化します。

また、姿勢保持やバランスの改善にはバランスクッションやバランスボールを使用します。

全身鏡を使用して体の動きや姿勢を目で確認します。

バランスボールやクッション、マットの使用も効果的です。