歩行を見るとき、私は「歩いている姿」だけを見ているわけではありません。
むしろ、その前を大切にしています。
身体を支えられるか。
姿勢を保てるか。
重心を左右へ移せるか。
これらは、すべて歩行につながっています。
例えば、立った状態で麻痺側へ体重を移せない方が、そのまま歩こうとすれば、麻痺側へ十分に乗らない歩き方になります。
身体を支えられなければ、杖や反対側の脚に頼ります。
姿勢を作れなければ、身体を大きく傾けたり、力んだりしながら歩くことになります。
つまり、歩き始める前の身体の状態が、そのまま歩行に現れるのです。
だから私は、歩行練習を始める前に、
横向き。
四つ這い。
膝立ち。
立位。
といったさまざまな姿勢を確認します。
一見すると「歩く練習ではない」と思われるかもしれません。
しかし、それらはすべて歩くための準備です。
歩き方を変えたいときほど、歩くことだけに目を向けない。
私はその視点を大切にしています。
