お客様の覚悟

先日、お客様の訪問リハビリに伺った際、ご自宅に車椅子がなくなっていました。ご家族に確認すると、「先生の言われた通り、(車椅子を)返しました。」とご返答がありました。

私は度々、お客様の初回面談時に車椅子を速やかに返却・処分することを勧めます。お客様のリハビリ目標・歩行状態や身体機能・生活環境などを踏まえて、そのような提案をします。しかし、ほとんどの方はそれを実行されません。外出する際やもしもの時に使うかもしれない、そんな思いをお持ちだからです。もちろん、私としては車椅子を脱却し生活移動が歩行になるし、目標達成の可能性が高いと見込んでいます。さらに、精神的な強さを身に付けて欲しいという思いがあるからです。歩くとは転倒との背中合わせです。転倒して打撲程度で済めば良いですが、骨折や頭部打撲・出血することになると大問題です。その恐怖心からリスクを負いたくない気持ちはよく分かります。それでもそのリスク、恐怖心を克服する、車椅子に頼らない強い気持ちを持っていただきたいと願っての「車椅子返却・処分」の提案です。

ですから、車椅子を処分されたのを知った時には大変嬉しかったのと同時にお客様の覚悟を感じました。まだまだお客様の歩行状態は安定しているとは言えません。ご自宅の中を杖をつき、ゆっくりではありますが歩ける程度です。それでも私の言葉、リハビリを通しての私への信頼なのだと思っています。

理学療法士としてお客様に信頼されるのはこの上ない喜びです。お客様からの信頼を胸に、目標達成に向けて邁進してまいります。