尖足とはつま先がピーンと伸びている状態で脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)や脊髄損傷によってふくらはぎの緊張が高まる事、長期間の臥床によっても起こりえる症状です。尖足が起きると、歩行時に踵から足をつくことが難しくなります。またつま先から足をつく、脚を振り出すときにつま先が床に引っ掛かりやすくなりますので、転倒の原因にもなります。

尖足の症状が出ると、歩行の安定や転倒を予防するために装具を処方されます。装具は主にプラスチック短下肢装具(ふくらはぎ~足の裏全体を固定)やAFO装具(足首~足の裏全体を固定)を考えます。どの種類を選ぶかは、尖足の強弱を見ます。次に、膝や股関節の見て、立位や歩行に尖足がどの程度影響を与えるかを見て判断します。

尖足に対するリハビリ

尖足は、まずはふくらはぎやアキレス腱のストレッチを行ったり、ふくらはぎの緊張を緩和するようマッサージを行います。さらには、つま先を持ち上げる動きを強化していきます。つま先だけを単独で持ち上げるのが難しい場合、脚全体を曲げながら同時につま先も持ち上げ筋肉の働きを活性化させていきます。次に歩行において、尖足の影響を抑えていく必要があります。歩行時の問題としては、①床に足をつくときにつま先からついてしまう。②脚を振り出すときにつま先が床に引っ掛かってしまう。①に対しては、尖足側を前方に付き踵から指の付け根、つま先に向けて重心移動を行います。②に対しては、脚を後方にしっかりと蹴り上げる・後方に付いた尖足側を筋トレと同様に脚の動きに合わせてつま先を持ち上げるように反復します。

また、つま先の機能を改善させるために継ぎ足(尖足側を後方)でつま先に荷重したり、踏み台で片脚で支え尖足側の足底でしっかり支えつま先・足底筋の機能を高めていきます。

継ぎ足:後方の尖足側足のつま先に荷重をかけ、機能を高める。

踏み台:尖足側の足裏全体で体重を支え足底筋の機能を高める。