れいんぼうフィジカルセラピー代表の芝原です。ずいぶんとご無沙汰の投稿になります。
お客様と屋外歩行をしていると、帰り道が分からなくなったり、スーパー内を歩いていて入口と出口が違うと方向が分からなくなる、そんな方がいらっしゃいます。このような場合、歩行動作そのものはしっかり安定して行えていても方向音痴(あえてこの様な表現にします)によって、安心して外出させられません。
人間の記憶を司るのは大脳側頭葉にある海馬です。日々、出会う人々との会話や出来事、目にしたものや効いたもの、さまざまな事をこの海馬に情報として蓄積します。道に迷わずに目的地に行くためには、地図上の情報や道中目印になる建物等を記憶する必要があります。これらは、ご本人の意識で方向音痴は克服することができます。
脳血管障害を患った場合はどうなるでしょうか?単純な方向音痴とは違い、複雑な原因が考えられ、高次脳機能障害となります。
・視野障害により正しい道が視野に入らない
・目標物を見落としてしまう注意障害
・何度も通った道なのに分からなくなる場所が分からなくなる失認
などが考えられます。
まずは、お客様が道順をどの程度理解しているのかを知る必要があります。
(写真1)
写真1は当店から最寄りの駅までの地図を私が記入したものです。
(写真2)
写真2はお客様が記入したものです。何度も通っている道ではありますが、何となく方向は分かっているものの若干のずれや目標物や道路の情報量が少ないです。
取り組みとしては、屋外歩行をする前に道順を予習し信号や建物等を記憶する。歩行中は、視野障害や路面へ注意が向き視野がより狭くなってしまいます。声掛けには我慢しながら、答えではなく気づきを与えるような声掛けをする。終了後は、改善点や課題をフィードバックします。これらを繰り返し行います。
根気が必要にはなりますが、一歩一歩改善に向けて取り組んでいきます。